91キロオーバー。このままじゃ死ぬ・・・。
・・・体が重い。だるい。鏡で見た自分の醜い姿。すべてが嫌になる。
心臓がバクバクする、肝臓のあたりがキリキリ痛む。
このまま突然死んでしまったりするんじゃないか?
体調が悪いのを歳のせいにしていましたが、ここまで悪くなっているのはさすがに異常な気がしていました。
30代にして糖尿病と診断されたもののそれも治療せずほったらかしにして、漫然と食べたいものを食べたいだけ食べる生活をしてきた結果がこんな有様です。
久しぶりに体重を測ってみようとデジタル体重計に乗ってみます。
なんと91キロオーバー!。
小数点以下は目がくらんで覚えていません。
ダイエットしなければならないのはわかっていましたが、いままで何度もダイエットに挑戦してきて、効果が無かったりリバウンドしたりしてきたことからダイエットから逃げていました。
もうこのまま死のうか・・・。
このまま眠って朝になったら死んでしまってたらいいのに・・・。
そう思ったことは数知れず。
でも、一つだけ気になっていたことがありました。
以前、胆石の摘出手術で入院していたときに、若い美人の薬剤師さんに言われた言葉でした。
薬剤師の立場で言うのもアレなんですけど、はっきり言って、血糖値を下げる薬よりも運動するほうがはるかに血糖値を下げる効果があります。
運動してやせるのが一番ですよ。
30代にして糖尿病になった自分に真剣に話をしてくれた若い美人の薬剤師さんのこの言葉だけはずっと覚えていました。
今思えばこれが僕の人生を変えた言葉だったのです・・・。
ダイエットを決意。しかし怠けぐせが・・・。楽してダイエットできる方法を探す。
そんな時、ドラッグストアで内臓脂肪を減らす薬があるのを見つけました。
え!うそっ!薬で痩せられるの?
薬で痩せられるならそんな楽な方法は他にありません。
持ち前の怠けぐせがここにも発揮されて、どうしても楽な方に逃げてしまいます。
この怠け癖が体重増加の原因なのですが・・・、ここにきてもその癖は治りません。
でも、薬、高いんですよね、一ヶ月分で約6000円。
安くなる方法はないかな・・・。
ネットで調べました。ありました。
病院でも同じ成分の薬がだせるそうです、肥満外来クリニックで。
早速、地元の肥満外来クリニックを探して、その中でも駅から近いBクリニックを訪れることにしました。
2016年12月はじめのことでした。
糖質制限?はあ、初めて聞きますが・・・。
私:肥満外来を受診したいのですが・・・。
受付:ここに必要事項を記入願います。
受付:そのあと、血圧計で血圧を測って待合室でお待ちください。
紙に必要事項を記入します。
えーと、身長170cm、体重は今朝の体重91.2キロ、あと既往歴に胆石摘出手術歴あり、と。
その後血圧を図ります。
えっ!150!。測り直します。
・・・測りなおしても148!。
びっくりしました。
せいぜい130位だと思っていたのが、日頃の不摂生のせいで血圧までこんなに悪いとは・・・。
つくづく自分の体が恨めしく思います。
先生に呼ばれ診察室に入ります。
先生:どうしました。
私:肥満で。91キロです。
先生:胆石の摘出歴があるみたいですね。私もやったんですよ。
私:あ、そうなんですか?
親近感が湧いてきます。そこで調子に乗って、
私:実は・・・。糖尿の気があるとも言われています。(←放ったらかしにしてるとは言えない)
先生:健康診断とか?・・・値は?
私:すみません。わかりません。
先生:では、糖尿の値も一緒に血液検査しましょう。
先生の優しい言葉にひと安心。
先生:脂肪吸収を抑える漢方を出しますね。下痢になりがちなので注意してください。
先生:ただ、ダイエットで一番大切なのは食事。
先生:糖質制限ってご存知だとは思うけど、このプリントに食べていいもの悪いもの書いてあるから、これ守ってね。
私:はあ、・・・糖質制限・・・ですか?初めて聞きますが。
先生:ん?テレビとかでも紹介されたりしてるけど、ご存じない?
私:テレビ見ないもので・・・。
先生:・・・・・・。まあ、とにかく、ダイエットは食事が一番大事だから。
先生:がんばって糖質制限してね。
私:ありがとうございました。
糖質制限・・・?。やっぱり食事制限が必要なのかあ。
薬だけでダイエットできる、そんな都合がいい方法なんてやっぱりないよなあ。
念願の薬はもらったもののなにか判然としない思いをしながら帰途につきました。
ーつづきー